お金を残すだけでなく、暮らしをつなぐ仕組みをつくる
●暮らしを支える4つの制度や仕組みを知っておこう
お子様へ財産を残すことを考えたとき、
「何を残そうか」
という視点になりがちではありませんか?
もちろん、それも大切なことです。
でも、「親なきあと」の暮らしを考えるのであれば、
「どのように財産を渡すか」だけではなく、
「どのように生活を支えていくか」という視点も欠かせません。
そのために活用できる制度や仕組みがいくつかあります。
代表的な制度は、次の4です。
① 遺言書・生命保険の受取人指定
財産の分け方や、お金を
どのような目的で残したいのかを明確にしておく方法です。
あらかじめ意思を形にしておくことで、
ご家族の負担やトラブルを減らしやすくなります。
② 任意後見契約
将来、ご自身の判断能力が低下した場合に備え、
信頼できる人へ財産管理や契約手続きをお願いする制度です。
元気なうちに内容を決められるため、
将来への備えとして活用されています。
③ 成年後見制度(法定後見)
すでに判断能力が低下している場合に、
家庭裁判所が選任した成年後見人が、
財産管理や契約などを支援する制度です。
本人の財産を守るうえでは有効ですが、
財産の使い方には一定の制限があるため、
それぞれの制度の特徴を理解したうえで
利用することが大切です。
④ 家族信託
親御様が元気なうちに、
信頼できる家族などへ財産管理を託す方法です。
将来、親御様が認知症になった場合や相続が発生した場合でも、
お子様の生活費を継続して支えやすい仕組みとして活用されています。
●将来のために「育てる」という視点も持つ
お子様の将来を考えるときは、
財産を残すだけではなく、
資産を育てるという考え方も大切です。
たとえば、積立投資などを活用しながら、
長い時間をかけて資産形成を進める方法もあります。
また、不動産を活用して家賃収入という形で
継続的な収入を得る方法も、
将来への備えのひとつです。
もちろん、投資や不動産にはリスクもあります。
だからこそ、ご家族の状況に合った方法を選び、
信頼できる専門家へ相談しながら進めることが必要です。
「資産を増やす」と聞くと
特別なことのように感じるかもしれません。
でも、本当に大切なのは、
大きな利益を目指すことではなく、
お子様の暮らしを長く支えられる環境を
少しずつ整えていくことではないでしょうか。
●制度だけではなく、人とのつながりも大切
制度を選ぶときは、
「お金を管理する仕組み」と「支えてくれる人」の
両方を考えておくことが大切です。
たとえば、お子様の特性によって、
必要となるサポートの形は異なります。
家計簿を一緒につけることが役立つ方もいれば、
信託や後見制度を利用して財産管理を支えるほうが
安心につながる場合もあります。
また、支援員や専門職など、
家族以外の人と協力しながら見守る体制が
適しているケースもあるでしょう。
お金は、単なる数字ではありません。
お子様が安心して暮らし続けるための支えであり、
ご家族の愛情を未来へつないでいく手段でもあります。
制度と人とのつながり、
その両方を整えていくことが、
「親なきあと」の安心につながっていくのではないでしょうか。
【小さなメッセージ】
「お金の使い方」は、「その人らしさ」のあらわれでもあります。
管理できないことを責めるのではなく、
支え方をデザインすることから始めましょう。

*将来設計ノート⑤
お金の流れを考えよう
1. 現在利用している国・自治体の支援・福祉サービスを記入しましょう
(例:障害者手帳、年金、医療費助成、通所、グループホームなど
項目 利用している?
障害者手帳(身体・療育・精神) □はい □いいえ
障害福祉サービス受給者証 □はい □いいえ
障害年金 □はい □いいえ
自立支援医療 □はい □いいえ
医療費助成制度 □はい □いいえ
特別障害者手当 □はい □いいえ
交通・移動支援 □はい □いいえ
通所(B型・生活介護など) □はい □いいえ
グループホーム □はい □いいえ
その他 □はい □いいえ
メモ:制度やサービスを使っての感想(便利/助かる/わかりにくい など)
2.気になっている国・自治体の支援や福祉サービスにチェックを入れましょう
(知らないものがあればそのままでOKです)
国の制度
□障害年金
□自立支援医療(精神通院・更生・育成医療)
□特別障害者手当
□生活保護
□医療費助成
自治体の制度
□重度心身障害者医療費助成
□タクシー券・交通費補助
□日常生活用具給付(オムツ、補装具など)
□公営住宅・支援住宅
□障害者就労支援(自治体の窓口)
□その他( )
福祉サービス(障害福祉サービス)
□相談支援(相談支援専門員)
□生活介護
□就労継続支援A型
□就労継続支援B型
□共同生活援助(グループホーム)
□居宅介護
□行動援護
□短期入所(ショートステイ)
メモ:気になっている理由・利用できるか知りたいこと
3.わが子に合いそうな支援を考えてみましょう
(生活・仕事・健康・居場所・将来の住まいなどの視点から)
・日中どう過ごすのが良さそう?
・どんな支援者が関わると安心?
・相談したいテーマは?
・支援があったら助かりそうだと感じる場面
4.「無理のない範囲」で増やせそうなお金は?
(当てはまるものにチェック)
□毎月の積み立て(つみたてNISA・iDeCo 等)
□少額の投資信託
□ 定期預金・貯蓄型保険
□不動産の活用(空き家・戸建・マンション)
□家賃収入をつくるための不動産購入
□その他( )
メモ:気になっている方法・理由
5.不動産を活用できる可能性を考えてみましょう
(例:実家・空き家・土地・将来相続予定の物件など)
活用できそうな不動産はありますか?
□はい
□いいえ
□わからないので専門家に相談したい
具体的なメモ
6.「お金の管理」で誰に助けてもらえそうですか?
□家族(父・母・きょうだい)
□支援者(相談支援専門員・職員)
□成年後見人・任意後見人
□信頼できる第三者
□金融機関・専門職(司法書士・社会福祉士など)
メモ:家族の状況などを自由に記載

