お金の不安を、安心につなげる準備を始める
●お金の話を避けずに向き合う
「お金のことは、難しくてよくわからない」
「まだ元気だから、いまは考えなくてもいいかもしれない」
そう思いながら、
つい後回しにしてしまうことはありませんか?
でも、お金について話し合うことは、
財産のことだけではありません。
わが子がこれからも安心して暮らしていくための準備であり、
親子で未来を考える大切な時間にもつながります。
これからご紹介するのは、
お金を「管理すること」の意味を、
親子で少しずつ見つけていったお話です。
●【挿話】お金は怖いように見えるけれど…
娘の真奈と、銀行の窓口に並んでいた。
「残念ですが、この口座を共同名義にすることはできません」
と言われ、わたしは小さくため息をついた。
「おかあさんがいなくなったら、わたし、このお金使えないの?」
真奈が不安そうに聞く。
「そうなの。だからいまのうちに、仕組みを考えないとね」
真奈は40歳で、発達障がいとうつを併せ持つ。
金銭管理が苦手で、使いすぎたり忘れたりすることも多い。
家に帰る途中、わたしは彼女に言った。
「お金を『管理する』ことは、
あなたを『信じる』ことでもあるのよ」
「え?」
「全部は任せられないけれど、
少しずつ『自分の生活をつくる練習』をしてほしいの」
その夜、2人でノートを広げた。
「食費」「光熱費」「医療費」…。
ひとつずつ書き出すうちに、真奈の表情が変わっていった。
「おかあさん、これ、わたしでもできるかも」
「そうよ。少しずつ覚えていけばいいの」
お金の話は、怖くもあり、希望でもある。
「見える化」することで、
親子の心が少し近づいた気がした。
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