わが子と未来を話すことで、これからの安心が見えてくる
●「これから、どう暮らしたい?」を親子で考える
お子様の将来を考えたとき、
「この先、どこで暮らしていくのだろう」
「親がそばにいられなくなったとき、安心して生活できるだろうか」
と、さまざまなことが頭に浮かぶ親御様もいらっしゃるでしょう。
グループホームや福祉サービスなどについて調べながらも、
将来の話をすることで、
お子様を不安にさせてしまわないかと
迷うこともあるものです。
けれど、将来について考えることは、
親御様だけで答えを出すことではありません。
「どんな暮らしなら安心できる?」
「やってみたいことはある?」
そんな何気ない会話を重ねながら、
お子様の気持ちを知り、
家族でこれからの暮らしを思い描いていくこともできます。
すぐに将来を決める必要はありません。
まずは見学してみる、本人の希望を聞いてみるなど、
小さなところから始めることで、
そのご家庭に合った選択肢が
少しずつ見えてくることもあります。
これからご紹介するのは、
30歳の息子・健さんとご両親が、
何気ない会話をきっかけに、
これからの暮らしについて考え始めたお話です。
●【挿話】未来を思い描くことは、安心を見つけるための対話
土曜日の午後、わたしは息子の健と一緒に公園を歩いていた。
「おとうさん、次の誕生日は焼肉に行こうね」
「おう、いいぞ」
健は30歳。
知的障がいがあり、週3日作業所に通っている。
おっとりした性格で、
ときどき忘れ物をするが周囲から愛されている。
作業所の職員さんに聞いた話では、
「健さんは、道具の整理が上手です。責任感もあります」
とのこと。
その言葉を聞いたとき、胸が熱くなった。
家に帰ると、妻が「将来のこと」を話し始めた。
「健のこれからの生活、どう考えている?」
「そうだな…少しずつグループホームでも見学していこうか」
健は隣で笑いながら言った。
「ホームって、おとうさんも来られる?」
「もちろん。見に行こう、一緒に」
ノートに「ホーム見学」と書き込んだ。
未来を考えることは、「離れる準備」ではない。
次の安心を見つけるための対話なのだ。
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