お金の管理ができない人も変わることができる 苦手なことを克服する秘訣とは?
●具体的に取り組み、月末に口座残高を残せるようになった
誰にでも得意なこと不得意なことはあるものです。
ホームに入居する人たちも例にもれず、それぞれに課題があります。
よく見られる特徴は、「お金の管理ができないこと」です。
ある40代の女性の入居者は、最初は収入を管理しきれず、月末になると生活費が足りなくなっていました。
そこで、まずは一緒に、お小遣い帳を書く練習を始めることに…。
さらに、食べ物をたくさん買いすぎてしまう傾向があるので、減らすようアドバイスもしました。
これらのことを繰り返していったところ、
・ご自身でお小遣い帳をつけられるようになり、管理ができるようになった
・いまは月末にきちんと口座残高を一定額残せるようになった
という変化が起こったのです。
財布を用途ごとに2〜3個に分けたことも、とても効果的でした。
●苦手なことを克服するには、アドバイスのタイミングが重要
もともと、この人はご自身でお小遣い帳をつける習慣がなかったのでしょう。
やり方を知り、要領を覚えれば、十分できるようになる可能性もあるということです。
以前は欲望の赴くままに、手元にあるだけお金を使い、月末になって「どうしよう…」と困ってしまっていました。
実家にいるうちは、親に頼ることもできたのかもしれませんが、それではいつまでも変わることができませんね。
入居者に合わせて、できそうな方法を取り入れていくのが、有効な手段です。
ご自身も、「月末にお金がなくなったら、困る」という危機意識を持っていました。
ところが、翌月に生活保護費や障がい年金が入ってくると、苦しかったこと自体、忘れてしまっていたそうです。
同じことは、別の30代の女性にも起きています。
収入が入ってきたら、残高が足りずにつらかったときの記憶がなくなり、ある分を欲望のままに使い果たしてしまうのです。
そして、お金が足りなくなってくると、メンタルの調子を崩してしまう状態を繰り返していました。
声かけをするときは、やはりタイミングが重要になってきます。
余裕がある状態では、いくら話しても心に届きません。
本当に困ったときに、繰り返しアドバイスを伝えることが改善のポイントです。
そうすることで、苦手なことでもできるようになる可能性があります。
取り組み方次第で、ご自身が生きやすくなることが増えていくのは、わたしたちにとっても嬉しいことです。