好きなスタッフの取り合いが起こりがち
●3人以上での会話が苦手な特性があるため間に入れない
グループホームでは、人間関係にまつわるトラブルがよく起こります。
女性同士なら珍しい話ではないのかもしれないのですが、マウントの取り合いも少なくありません。
よくあるケースは、とても人気のあるスタッフの取り合いです。
お互いをライバル視している2人の30代の女性入居者がいて、ひとりが人気のスタッフにピッタリくっついている場面がよく見られます。
その利用者さんは、食事をつくっている人気のスタッフがいると、一緒にご飯をつくったりして、ずっと離れようとしません。
そうすると、そのスタッフさんと話をしたがっている入居者が入れない状況になってしまいます。
それは、グループホームには、1対1なら話ができても、3人でお話をするのがとても苦手な人が多いからです。
そのため、自分から話しかけることができません。
医師の話を伺うと、
「こういったケースでは情報の処理がとても苦手で、2人で話している話題に入ることができないのではないか…」
とのことでした。
そして、
「あの人がスタッフを独り占めして、話に入れない…。どうやって入ればいいのでしょうか?」
という質問をスタッフにしてくるのです。
その質問に対して、わたしたちは
「何か自分が入れそうな言葉を見つけたら、そのタイミングで入ってみればいいんじゃない?」
などとアドバイスをします。
でも、2人の話から一切言葉を拾うことができません。
そして、
「やっぱりあの人とは仲良くできない。わたしはどうしたらいいの?」
と、嫉妬が増幅してしまうようです。
こういった出来事は、日常のなかで起こりがちですが、入居者の持つ特性のひとつでもあります。