入居者が自立する目的からぶれない対応が不可欠!
●スタッフは「お手伝いさん」ではない
介護や福祉系の施設に勤務するスタッフは、
さまざまなところで働いた経歴がある人も多いものです。
わたしたちのホームも例外ではなく、
介護付き有料老人ホームなどから転職してきたスタッフが働いています。
ひと昔前は、「お客様は神様です」というフレーズをよく耳にしました。
高齢者向け施設のなかにも、お客様(利用者)の言うことは絶対、
といった雰囲気があるところも実在するようです。
それ相応の料金を支払っていることもあり、
利用者の要望に対して全面的に対応する、
というスタンスが一般的なのかもしれません。
はじめにグループホームを開設した頃は、
そのような考えのスタッフが多くいました。
でも、そうなると入居者は
「あれもやっていい、これをやってもいい」
と思ってしまうのです。
多くの入居者は、
どこまでやっていいのかを探りながら見極めています。
そして、すべてが認められると感じた際に、
要求が次第にエスカレートしていくこともあるのです。
そのため、何か問題が生じるとスタッフを呼んで、
「それが、あなたたちの仕事ですよね?」
という状況になってしまうこともあります。
でも、グループホームは本来、そういうものではありません。
わたしたちは単なるお手伝いさんではなく、
あくまでも「自立をサポートする役目を持った人たち」です。
ですから、自立の妨げになると思ったことは、
対応しないようにしています。
それが長期的に見て入居者のためになる、
と考えているからです。
こうした姿勢を崩さず、
目的からぶれない対応を続けることを大切にしています。