成長には「自覚」と「成功体験」が不可欠!
●状況の変化から自覚が芽生えることもある
「何かのきっかけで認識が変わった」
「認識が変わったことで、行動まで変化した」
こんな経験をしたことはありませんか?
前回のコラムで、
自分で身の回りのことをしなかった
50代の男性のケースをご紹介しました。
じつは、この男性は、
母親が来られなくなったことで変わっていった、
という印象があります。
入居した頃は、ほぼ毎週末、母親が来て、
足腰が悪かったにもかかわらず、
腰を曲げながらお部屋の掃除や洗濯をしていました。
その状態がしばらく続いていたのですが、
母親がコロナで来られなくなったタイミングで、
行動が変わっていったのです。
母親の大変な状況を認識して、
自覚が生まれたのかもしれません。
以前は
「何が何でも外へは出ない!」
という意思が強く、どれだけうながされても、
B型作業所には多くても月に一度しか通おうとしませんでした。
でも、いまでは週3回通えるようになったのです。
●いい評価はモチベーションをアップさせる
作業所に行けるようになった理由には、
そこでとてもいい評価を受けたということもあったようです。
様子を伺ったところ、
「あなたが来てくれて、とても仕事が進むようになった。
いてくれると助かるから、もっと来てほしい」
と声をかけられたとのことでした。
そうしたきっかけがあり、少しずつ回数が増えていったのです。
別の30代男性も、
ホームに入る前はずっと実家で暮らしていて、
親に身の回りのことをしてもらっていました。
そのため、「自分でやらないのが当たり前」
という感覚を持っていたのです。
この人の場合は、たとえ小さなことでも自分でできたとき、
ほめることを繰り返したところ、
半年を過ぎた頃からできることが増えていきました。
いまでは、掃除や洗濯、片付けまでできるようになり、
素晴らしい変化があらわれています。
できないことを責めるのではなく、
できたときにほめたほうがモチベーションにつながると実感できた例です。
これらの出来事は、
わたしたちにとって、とても考えさせられるものでした。
たとえば、母親が面倒を見ている頃は
本当に甘えてばかりでしたが、
来られなくなったことで意識が変わり、
行動も変わりました。
そして、作業所で評価されたことが働く意欲につながり、
できたときにほめたほうが、さらにできることも増えていったのです。
こういった経験からも、
過剰に構いすぎてはいけない、
面倒を見すぎないほうがいい、
ということなのかもしれません。
モチベーションは、成功体験によって上がります。
健常者も障がいを持つ人も、
程度の差はあっても根本は同じなのです。
その人にとって、
どうすることがよりよいのか考えることを忘れずに、
できたことは大いにほめることを大切にしたいものですね。