問題や決めごとは自分たちで決めることに意義がある
●入居者全員のミーティングで自主性を養う
グループホームでは複数人で共同生活をしています。
そのなかでは、さまざまな問題が出てくることも現状です。
たとえば、最近は喫煙に関することが問題になりました。
建物内は禁煙なので、どうしても外で喫煙することになるのです。
そうすると、ご近所からクレームが入ることもあります。
こんなとき、わたしたちから
「こういうふうにしてください」
と言うのは簡単です。
でも、そうではなく、
「ここの場所なら、迷惑にはなりにくいかもしれないね」
「一度に数人で連れ立って行くのではなく、
ひとりで行ったほうが煙は少なくなるよね」
といった提案をし、入居者同士で話し合い、
自分たちで決めてもらうようにしているのです。
問題が生じた際には、まずは問題を明確にして、
入居者本人たちで決めることを大切にしています。
もちろん、すべての場合においてそれが可能とは限りません。
でも、わたしたちから
「このようにしてください」
と押しつけるのではなく、
自分たちで決定する機会を与えて、試してみることが重要です。
すべてが順調に進むわけではなく、
さらに別の問題が出てくることもあります。
ただ、少なくとも定期的に月に1回はミーティングを行い、
自分たちで話し合う場を設けることでよくなっていくのです。
そして、入居者たちが自分で決めることに、
大きな意義があるととらえています。
もちろん、問題は解決するに越したことはありません。
わたしたちは、入居者の方たちの自立を目指すなか、
解決までの過程を経験する機会も大切にしているのです。