資産の渡し方で未来が変わる、親亡きあとを安心にする選択肢とは?
●一度に渡さない工夫が、安心につながる
「子どもに残す財産は、自宅と現金」というご家庭は少なくありません。
でも、手元にある資産を増やしておくことも大切です。
たとえば、iDeCoや積立型の新NISAなどを活用すれば、
将来に備えた資産づくりができます。
ただし、金融商品にはリスクが伴うため、
信頼できる専門家のアドバイスを受けながら進めたいところです。
また、生命保険を上手に使うことで、
より安心できる備えにもつながります。
お子さんが自分で十分な収入を得ることが難しい場合には、
できる限り多くの資産を残してあげたいものです。
とはいえ、一度に大きな金額を渡すと、
すぐに使ってしまうタイプの人もいます。
そういった人には「渡し方」に工夫を加えることで、
長く安心できるしくみをつくれます。
●不動産や信託を活用して、計画的に支える
たとえば、不動産を活用して毎月の家賃収入を得る方法があります。
投資用マンションを所有し、安定した収入を確保するのも一案です。
新たに物件を購入しなくても、
実家を貸して家賃収入を得る方法もあります。
お子さんがグループホームなどに入居する場合にも、
実現しやすい形です。
もうひとつの選択肢が、信託銀行の「特定贈与信託」です。
これは障がいのあるお子さんに対して、
非課税で最大6000万円まで生前贈与できる制度です。
手数料はかかりますが、
信託銀行が親亡きあとも定期的にお金を渡してくれるため、
使いすぎを防ぐことができます。
同じく信託銀行には
「財産承継信託」や「生命保険信託」といったものもあります。
前者は遺言書に信託の開始を記しておくことで、
亡くなったあとに信託が始まり、子どもに分割して資金が渡る形。
後者は生命保険に加入する際に信託契約を結び、
保険金を信託銀行が受け取って分割で支給する方法です。
一方で、銀行を介さず家族間で信託を組む
「家族信託」や「福祉型信託」という方法もあります。
たとえば、親が障がいのある子のきょうだいと契約を結び、
そのきょうだいを通じて資金を管理・分配していくものです。
それぞれに利点と注意点があるため、
専門家と相談しながら自分たちに合った形を選ぶと安心ですね。
●「親亡きあと」も安心して暮らせるようにする
親が亡くなったあとの暮らしを支えるためには、
相続だけでなく、福祉・お金・不動産の視点も欠かせません。
複数の専門家に相談しながら、
さまざまなケースを想定して備えておくことが大切です。
お金の「残し方」だけでなく、「つなぎ方」を工夫することが、
子どもの未来を守ることにつながります。

