障がい者グループホームの意義とは?
●親元を離れて自立を目指そう
前回のコラムでもお伝えしましたが、グループホームでは、障がいのある人が親元を離れて数人で共同生活し、自立を目指しています。
ここでの重要なポイントは、親元を離れて暮らしていることです。
親元を離れて暮らすことで、自立した生活を送れるようになり、就労を目指すことができます。
それが、一番の意義です。
親や家族と一緒に生活をしていると、どうしても甘えてしまうために、自立した生活を送ることが難しくなってしまいます。
経験がないなかで、いきなり自立や就職をしようと思っても、ハードルは高くなってしまうものです。
でも、そのまま外部との関わりを持たずに一生を過ごしていては、親がいなくなったあとで立ち行かなくなってしまうでしょう。
障がいを抱えている人の多くは、コミュニケーションをとることに苦手意識があるのではないでしょうか。
グループホームでは、コミュニケーションをとる機会や場所を設けているので、毎日誰かと会話をしたり、一緒に活動したりすることができます。
入居者のサポートや支援を行う世話人は、日常生活のサポートだけでなく、相談相手になったり、コミュニケーションをはかったりと、精神的な支えにもなってくれるのです。
このような環境で、人や社会とのつながりが生まれれば、それが自信にもつながり、楽しみも増えるはず。
グループホームは、スタッフと入居者が共同で「ここまでを目指そう」といった目標を立てながら、目的に向けた取り組みを進めていきます。
障がいを抱えた子を持つ親にとっても、精神的、身体的な負担を減らすのと同時に、将来に対しての不安も軽減するでしょう。
●親亡きあとも自立した生活を目指す
子どもがひとりで生活をしていくということは、入居者である子だけではなく、親にとっても不安や心配をともなうものです。
グループホームには専門の知識や技術を持つスタッフが常駐し、個人個人に必要なサポートをしてくれるので、ひとり暮らしの移行への第一歩になります。
親だけで障がいのある子の面倒を見ていると、ご自身が70〜80代になって、身体的・精神的負担に限界を迎えてしまケースも少なくありません。
このような流れで相談に訪れ、実際に入居される方も多くいらっしゃいます。
でも、できるだけ早い段階で検討していただくことが、親子それぞれの人生における可能性を広げる点でも重要なのです。
親御さんの負担や心配を減らし、障がいのある子が一歩でも前に進めるサポートをすることができれば嬉しく思います。