親が元気なうちから始めたい相続準備
●相続財産を確実に子どもへ渡すために、いまできる準備を考える
「もし今日、親が急に亡くなったら…」
と考えたことはありますか?
相続について何も手をつけないまま親が亡くなってしまうと、
せっかく不動産や株式、証券などを遺していても、
残された子どもが受け取れずに困ってしまうことがあります。
とくに、障がいのある子が相続する場合、
その負担はより大きくなりがちです。
理由はシンプルで、相続に必要な情報も知識もなければ、
手続き自体が進められないからです。
その結果、財産を受け取れないままになったり、
相続税の申告や納税ができずに
トラブルに発展したりする可能性も考えられます。
こうした事態を避けるには、
早めに親の終活に着手することが欠かせません。
「まだ元気だから大丈夫」と先延ばしにせず、
不動産・株式・証券などの整理を進め、
ほかの相続人にも状況を共有しておきましょう。
子どもにきちんと財産を引き継ぐには、
事前の準備がとても重要です。
早く取りかかるほど、選べる方法も増えます。
もし親御さんがなかなか動けないようであれば、
きょうだいや親戚がサポートし、
必要な問い合わせや手続きを進めてあげると安心です。
親御さんが元気で判断力がしっかりしているうちに整えておくことで、
亡くなったあとの周囲の負担を大幅に減らすことにつながります。
また、どの程度の財産を子どもに残せるのかを
事前に試算しておくことも大切です。
そのうえで、親亡きあとの生活を具体的に考えていきましょう。
グループホームで暮らすのか、
年齢によっては介護施設を検討するのか、
それとも小さな家を借りてひとり暮らしをしてもらうのか。
これは、本人の障がいの状態や家庭の事情によって、
最適な選択は変わります。
相続財産の受け渡しを含めて、
あらかじめ方向性を決めておくことで、
親御さんにも本人にも、そして周囲にも大きな安心が生まれるのです。

