誤解を与え、損をしてしまうケースの対応法
●感情の表現方法が異なることも多い
グループホームに入所している人は、表現方法の概念が、一般的に知られているものと異なるタイプがとても多く見られます。
同じ言葉や態度でも、その解釈が違うと感じることがあるのです。
これは、障がいが直接作用するというよりは、いままでまわりの人たちと関わってきたなかで、だんだんと身についてしまったのかもしれません。
今回は、具体的なエピソードではありませんが、こんな人が多い、という傾向の話をしましょう。
●コミュニケーションのずれをなくすために、時間をかけて理解する
たとえば、笑っているときはうれしい、楽しい、という感情をともなうのが一般的です。
でも、そうとは限らず、何か言いにくい感情を隠すために、無意識に笑ってしまったり、照れ隠しのような笑いをしたりする人もいます。
なかには、言いたいことをうまく表現できず、とりあえず笑ってしまう人もいるようです。
このようなとき、まわりの人からは
「バカにされているのかな?」
ととらえられてしまうことも…。
実際、そのようにとらえるスタッフもいます。
本人の伝えたいことと、まわりの受けとり方が少しずれているために、コミュニケーションをスムーズにとることができない場面が少なくありません。
ほかには、スタッフに向かって何かを言ったとき、スタッフは喜んでいるような表現をしても、嫌悪感を抱かれている、と解釈することもあります。
逆に、スタッフが入居者を見て、喜んでいる、自分を好意的に思ってくれている、と思っていたのに、じつは本人はそう思っていなかった、といった「ずれ」もかなり多く見られる現状です。
これらは、とくに入居してすぐの時期に起こりやすくなります。
本当は何が言いたいのか、本当は何をしたいのかをスタッフがつかむまでには、時間や継続的なコミュニケーションが必要であると感じます。
これは、男性・女性の違い、年齢による傾向の違いはあまり感じません。
ただ、知的障がいの程度が強い人に、起こりがちなことととらえています。
本人からすれば、
「どうしてまわりの反応が、自分の思うことと違うのだろう?」
と思っているでしょう。
コミュニケーションのずれをなくすために、「こうだろう」と固定観念や思い込みにとらわれず、じっくり関わることが重要なポイントです。